活性炭をはじめとする一般的なカーボン材料には見られないメソ孔を多く含む特殊な構造を有しており、工業材料として入手が困難とされていた新しいカーボン材料です。
クノーベル®は、従来の多孔質材料には見られない構造を有しており、工業材料として入手が困難とされていた新しいカーボン材料です。特に、独自の技術により制御したメソ孔(2~50nmの気孔を示します)が構造内に多く存在し、メソ孔同士がつながった"連通孔"と呼ばれる構造が特徴です。この特徴的な構造が、既存材料では見られなかった機能発現や機能向上に寄与します。
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多孔質材料とは沢山の細孔を持った材料です。 細孔の吸着機能を活かしたフィルター、分析機器等への適用から、近年では電気、熱などのエネルギー貯蔵デバイスなどへも適用の場を広げています。
多孔質材料はもっている細孔の大きさによってミクロポーラス材料、メソポーラス材料、マクロポーラス材料に分類されます。目的となる対象物質によって、適用可能な多孔質材料が異なります。 クノーベル®はこれまでのカーボン材料にはなかったメソポーラスカーボン材料です。
クノーベル®は独自の技術により制御したメソ孔が3次元ネットワーク構造を形成しており、このメソ孔同士がつながった「連通孔」と呼ばれる構造が特長です。この構造が、既存材料では見られなかった機能発現や機能向上に寄与します。
図)連通孔イメージ | クノーベル®の構造を3D-TEMで観察してみると"スカスカの連通構造"が確認できます。 |
カーボン材料はその材料表面に、官能基とよばれる化学種が存在し、官能基の有無によって、表面の化学特性が大きく変化します。クノーベル®は物理的特性を変えずに化学的機能を制御できます。 そのため、表面状態をコントロールすることにより、水への濡れ性など化学的機能を制御することができます。
クノーベル®には、従来の活性炭にはない機能があります。
クノーベル®は特長的な連通構造により分散性に優れた材料で、他材料と比較するとクノーベル®が容易に分散しているのが分かります。有機溶媒や樹脂へも高分散が期待できます。
独自技術によりクノーベル®の細孔、粒度ともに狭い分布で制御が可能です。お客様の要望に合わせた材料設計が可能です。 (細孔の制御が可能な理由 / 細孔の制御の秘訣は製造工程にあり)
クノーベル®は、従来の黒色顔料に比べて非常に黒色度が高く(*Lが低い)、 深みのある純粋な黒を実現します。漆黒が求められる様々な用途への展開が期待されます。 さらに、カーボンブラックに比べ分散性が高いためインク化しやすい顔料です。
クノーベル®と他材料の黒色度比較表 | クノーベル®の色空間図におけるポジション クノーベル®はチタンブラック、酸化鉄、カーボンブラックよりも黒いことがわかります。 |
電気二重層キャパシタ(EDLC)において、クノーベル®はその"スカスカな連通構造"に起因して、レート特性や低温特性に優れる電極の設計を可能にします。
一般的な活性炭に比べて素早い吸着性能を示します。短時間での吸着・濃縮が可能となるため、工程時間の短縮や処理設備の小型化に寄与します。
また、分子サイズに合わせたメソ孔を選択することで、活性炭ではほとんど吸着できない巨大分子(例:タンパク質、酵素)も吸着・濃縮が可能です。
クノーベル®はお客様の目的に合わせた、それぞれの特長を持った基本グレードをラインナップしています。
グレード | 特長 | ご使用用途例 |
MJ(4)010 | 軽量かつ高強度です。分散性、非凝集性に優れます。少量で効果を発揮し、混合リードタイムの短縮などトータルコスト削減に適しています。 | 添加材、熱媒、電極、分離媒、吸着材、緩衝材 |
MJ(4)030 | 比較的大きなサイズのメソ孔を有しています。従来の活性炭では機能しない巨大分子、特に有機系分子の吸着、分離、濃縮、保持などに有効です。 | インク、フィルター材、分離・吸着材、濃縮材、カラム充填剤 |
MJ(4)150 | メソ孔よりも大きな細孔 (マクロ孔) を有した多孔質炭素です。メソ孔では吸着できなかったタンパク質などの吸着・分離が期待できます。 | インク、フィルター材、分離・吸着材、濃縮材 |
MH | 大比表面積、化学的性質安定性、耐薬品性に優れ様々な用途に汎用的にご使用可能です | 吸着材、電極材、導電助剤、ガス分離媒 |
従来販売していましたPシリーズも引き続き取り扱っております。購入を希望されるお客様は別途ご相談ください。
ナノオーダー制御された細孔にご興味の方、既存の多孔質材料のグレードアップ置き換えなどのご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。