工業炉

世の中の工業製品には、金属製品の特性を向上させたり、セラミックスや金属の焼結、その他いろいろな目的で熱処理が適用されています。
その工程で使用されるさまざまな熱処理炉の中でも、500℃以上(*1)の高温環境の熱処理において、耐熱性に優れた炭素材料が多く用いられています。
また、処理の効率化のため、軽量・高強度であるC/Cコンポジット製治具は金属製治具に比べ、さまざまなメリットがあります。
(*1:不活性雰囲気の場合)

熱処理

工業炉用C/Cコンポジットについて

C/Cコンポジット製治具のメリット

金属製治具は繰り返し使用により変形しますが、高温強度に優れたC/Cコンポジット製治具は変形しないため、ワークの設置、治具の搬送にロボット等を用いたオートメーション化も可能です。
また、 軽量であるC/Cコンポジット製治具は、ハンドリング性や詰め効率の向上にもつながります。

約1年使用後の金属製およびC/Cコンポジット製トレイの状態
直流機用ブラシ写真
金属製トレイ
(変形あり)
クレーン用ブラシ写真
C/Cコンポジット製トレイ
(変形なし)
直流機用ブラシ写真

■超耐熱材料
金属材料と比較して、高温での強度が高く不活性雰囲気においては2000℃以上の超高温下でもご使用が可能です。
クレーン用ブラシ写真

■軽量
軽量でハンドリング性に優れています。金属材料に比べ低密度であり、軽量化が可能です。

【採用例】強靭性の求められる金属部品の熱処理工程で採用されています

heat005.jpg

C/Cコンポジット製治具の製品例

お客様のご使用条件、ご要望に応じて適切な材質の選定、設計を提案させていただきます。

工業炉用部材(ヒーター、断熱材、断熱材保護部材、構造部材、棚板、バスケットなど等)には炭素材料が多く用いられます。
当社ではお客様のご使用条件、ご要望に応じ、 等方性黒鉛C/Cコンポジット黒鉛シート(PERMA-FOIL®)などのカーボン製品を取り揃えており、それぞれの治具に適した材質の選定・設計をご提案できます。

製品名 概要 製品加工例
ベーストレイ
(グリッド)
・荷重要望に応じた設計が可能
バスケット ・ワークのサイズに応じた設計が可能
・重ねて使用することで生産性アップ
ローラーハース ・耐熱性が高く、熱変形がないので安定した搬送が可能
C/Cメッシュ ・メッシュ構造で、ガス透過が良い
・グリッド/バスケットとの組み合わせで使用可能
C/C波板 ・ワークの安定 (円柱品に使用可能)
・グリッド/バスケットとの組み合わせ可能
C/Cスプリング ・高温化でも安定した押しつけ力を維持することが可能
・高温化での繰り返し使用後のバネ定数の低下が少ない
・カスタムメイドのスプリングの設計・製造が可能